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第五の家族をめぐる老いの不安

投稿日:8月 24, 2017 更新日:

今やペットは、父母・兄弟・姉妹・配偶者・我が子などの血縁者と同じ「第五の家族」と呼ばれています。
某研究所の調査によると、ペットを家族の一員だと思っている人は全体の54.6%を占めるといいます(2014年、首都圏と阪神圏の3201人が調査対象)。

数においてもペットの影響は大きく、15年の犬の国内飼育は991.7万匹、猫は987.4万匹で、合計すると15歳未満人ロ1617万人を上回ります。

この超過状態は04年から継続して続おり今後も変わることはないでしょう。
犬か猫、あるいは両方飼っている世帯は全国1357万に上り、4世帯に1世帯が飼い主世帯という現況です。

愛犬. 愛猫が「うちの子」

SNS等では、 愛犬. 愛猫が「うちの子」と呼ばれ、共同生活の悲喜こもごもが盛んに書き込まれている状況です。
一昔前なら「たかが犬.猫を子どもと同列に表現するとは」とひんしゅくを買ったかもしれませんが、ぺットが意識の上でも数の上でも社会にしつかりと定着した今、飼い主たちにとって「うちの子」という表現は実に自然なことなのです。

ペットの身に起こることは、人間の高齢化とほとんど変わらない

生涯において肝心なものは、その重要性が高ければ高いほど、人に悩みをもたらします。失う事がおそれとなるからです。

その意味では、日本の飼い主たちは大きな不安に直面しているといえます。

愛するペットの老齢化と、その過程で生じる医療の歯痒さ、加えて来るべき別れの予感があるからです。
犬も猫も室内で飼うのが自然となった現代、老齢化を迎えたペットの身に起こる事は、人間の老年期化とほとんど変わりません。
この間まで自力でできていた事ができなくなり、家族の助けが必要になってくるのです。

  • 認知症が始まる。
  • 死ぬまでのごく短い期間に、生涯に必要になる医療費の相当分が費やされる。

さらに現状、小動物医療は人間の医療とそん色のないほど高度化しており、選択の余地も豊富です。

人間よりも先進的な分野もあるほどです。人間と違って公的保険の仕組みがないため、飼い主に経済力がある事が前提となりますが、「治療をどこまでやるか」「どの段階であきらめるか」という難しい決断を愛犬.愛猫のために下さなくてはなりません。

ペットに必要なお金は平均で、犬で年間33万9488円、猫で17万1216円となっていますが、いずれも4割前後をペット保険を含む医療費が占めています。

ダブル介護

ベットが老いを迎える時期は、飼い主本人が老いる時期とも重なります。
犬.猫とも、飼育比率が最も高いのは50代、次に60代です。

退職後にどこで日々を過ごすかのライフスタイルの構想は、愛犬.愛猫がどこまで長生きしてくれるかによっても大きく左右されていきます。
万が一父母の介護とペットの介護が重なれば、心身への相当な負担になってくるでしょう。

卒ペット

60代以降に新しくペットを飼おうとする人は顕著に減ります。
自分がペットより先に死ぬリスクや、老人ホームなどの施設に入居する際に連れていけないおそれを考慮した「卒ペット」があるからです。

けれど近年は、ペットを連れて入居できる老人ホームもあります。信頼できる人に財産とペットの将来をあらかじめ託し、自分の死後もペットが幸せに暮らせるように契約を結ぶ「ベット信託」も広がっています。
高齢期を迎えても、ペットとの生活をあきらめずに済む方法ますます増えていくでしょう。

ペットの癒やし効果は科学的にも実証されています。大学などによる調査では、ペットと目を合わせたりなでたりすことで、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが飼い主に分泌されることが明らかになっつています。ペットとの生活をあきらめるどころか、高齢期にはペットと過ごすことを推奨する時代が来るかもしれません。

小型犬ブ—ムが高齢化の起点

現在のペット高齢化の波は、00年代前半に起こったぺットブームの終点といえます。03年には消費者金融のテレビCMがきつかけとなり、チワワ人気が爆発しました。その後はフイギュアスケート選手の愛犬を見て、トイプードルを欲しがる子どもが増えました。この2犬種の人気が、国内における犬の飼育数を底上げしました。
現在でも、ジャパンケネルクラブに登録される犬のうち、この2犬種が実に4割を占めています。全国の多くのショッピングモールにはペットショップがあり、その店頭でもチワワとトイプードルはつねに品切れなく販売されています。

ここで疑問が湧くのが、なぜこれほどに偏った犬種が大量に供給され続けるのかという点。
自然な繁殖ではありえない事です。

動物愛護護団体を主宰する杉〇彩さんは、「商品として犬や猫を売ることは、どこかの段階で必ず個体のロスを生む」とし、店頭で生きた動物を並べて販売する「生体展示販売」をやめるべきだと訴えています。

ペットを飼っている人はもちろん、それ以外の人にとっても「たかが犬・猫」では済まない時代なのだといえます。




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