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脳波でわかる無駄吠えや尾追いの原因

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てんかんが犬の問題行動の原因になっている可能性

愛情を持って接した犬でも、やたらと吠えたり、尻尾を追い掛け回す子がいます。
「そういう性格」「しつけが悪い」とされてしまいがちですが、実は病気が原因であることも・・・。
病気であれば、治療には原因解明が欠かせません。

東京大学付属動物医療センター行動診療科のA特任教授は、直近の研究で「てんかんが犬の問題行動の原因になっている可能性」を明らかにしました。

犬のてんかんは、人間と同じような症状が見られます。
体のけいれんや、意識障害が代表的な症状です。
中枢神経系の異常興奮により、筋肉の収縮が起こる脳疾患がてんかんです。
この代表的な症状は、実はてんかんの症状の約半分に過ぎず、残りの半分は感覚の異常として症状が現れます。

A氏がてんかんと問題行動に注目するようになったきっかけは、自分の尾をぐるぐると回りながら追う犬に出会ったことでした。
最初は同じ行動を繰り返す「常同障害」と診断し、抗うつ剤を処方したが改善しませんでした。脳波を測定したところ、きょく波や多きょく波と呼ばれる異常波が出ました。

てんかん発作が起こる時には、複数の神経細胞が電流を発します。
そうすることで異常波が出るのですが、異常波が出ても症状を起こさないこともあります。
このことから、脳波測定だけではてんかんとは診断できなかったものの、抗てんかん薬を処方したところ、症状が改善したと言います。

この問題をきっかけに、62件の問題行動の症状をまとめたデータによると、8割に当たる51件に異常波が見られました。そのうち、治療を行なった48件中36件(75%)で、抗てんかん薬で問題行動が改善しました。行動療法も併せて行なった結果全体で見ると、39件(81%)に効果があったという結果が出ました。
A氏はこれらのデータから、「深刻な問題行動はてんかんの可能性を疑う事が重要」と指摘しています。

同センターに訪れる犬の多くは、過去にありとあらゆる方法を試したが改善しなかったケースがほとんどです。全体の半数を占めるのは柴犬で、8割に異常波が検出されました。このことから、てんかん体質を持つ柴犬は多いということが分かります。

しつけでは問題行動は解決しない

ただし、A氏は「問題行動=てんかんと誤解してはいけない」と指摘しています。
てんかんの可能性が高いのは、何のきっかけもなく始まる問題行動の場合。寝ていたのに、急に起きてへんな行動を取ったり、ある歳を境に急に行動が変わるなどの症状があると言います。この場合、しつけでは問題行動は一切解決しません。この知識がないと、てんかんを持つ犬は「しつけが効かないダメ犬」の烙印を押されてしまいます。

最悪、安楽死をさせられるケースもあったと言います。

脳疾患が原因の問題行動があるというのは、飼い主の必須の知識として知っておきたいことですね。




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