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まだ未成熟なペット保険の損得

投稿日:8月 25, 2017 更新日:

ペットが病院にかかると、保健が効かないため、窓口で高額な医療費を請求されることも珍しくありません。動物病院への通院や入院・手術でかかった費用の一部を保障してくれる「ペット保険」契約期間が1年の掛け捨てで、治療に対する保障(支払い)の場合は5割~7割が多い。万が一の備えとして加入、もしくは検討している飼い主も多いのではないでしょうか。

ペット保険を取り扱っているのは、受額に上限のある少額短期保険会社を含めると十数社になります。
その中でも大手と言われているのは、「アニコム損害保険」と「アイペット損害保険」の2社です。

アニコムに保有契約者数は約60万件。
アイペットは約25万件。

数字で見ると、1位と2位の差が大きいことがわかります。

大手2社の特徴は、会社が発行したペット用保険証を提携病院の窓口で提示すれば、人間同様に保険適用後の金額での支払いが可能という点です。提携病院数はアニコムが約6000ヶ所、アイペットが約3800ヶ所です。また、提携病院以外での支払いに関しては、後日別途請求する形となります。

ペット保険はまだ発展途上の段階なので、契約内容が頻繁に変更することがあるため、「大手なら安心」とは一概に言い切れません。近年のアニコムは、2010年10月に「入・通院の限度日数を無制限」「原則終身での継続が可能」「保障割合50%プラン」だけだったのを、90%70%の2プランを新設し、商品改定を行ないました。保険加入者からすると、選択肢が増えるなどのメリットがありましたが、会社側としてはこの改定は裏目にでました。

それは、収入保険料に対して支払った保険金の割合を示す損害率の推移に表れています。10年度に48.1%だったのが、プラン新設など一連の施策を導入した後の12年度には63.7%と一気に上昇しました。この間、アイペットは30%台と安定した推移を見せています。会社の運営コストを考えると、将来にわたって保険事業が適切に運営できるか懸念されてしまう水準です。

この事態を受けてアニコムは、12年7月に「90%プラン」の取り扱いを停止し、14年6月には一律12%の値上げに踏み切りました。さらに、同11月には入・通院限度日数無制限プランの新規契約の取り扱いを停止しました。

値上げの動きは、「アクサ損害保険」でも見られました。
今年は3月に値上げを実施した後、10月にさらに一律3%に保険料を引き下げます。以前は満13歳までだった申し込み年齢も、満8歳までに引き下げました。どうしてこれらの値上げ踏み切ったのかは、アクサ損害保険側は明確なコメントを控えているため不明ですが、アニコムと同様に保険料収入と支払いのバランスを取るためと考えられます。

値上げもあってか、「アニコムの保険料は高い」というイメージを抱く飼い主が多いですが、一概にはそう言い切れません。大手2社と比較すると、犬は8~9歳、猫は4~5歳を境にアイペットの保険料がアニコムを大きく上回るようになっています。

アイペットは、アニコより年間の支払限度額や限度日数が多いことを理由に、一定の年齢を超えるとアニコムの保険料を超過するようになっています。ただし、加入年齢層はアニコムが3~6歳で約3割なのに対して、アイペットは0~1歳が約4割となっています。ペットが若いうちは、保険料を低く設定していますが、高齢になると更新していれば終身加入できる保険が多く、ペットが健康であれば割高に感じる飼い主が多い傾向にあります。しかし、継続して契約しなければ、ペットが高齢になってからの加入が難しくなってしまう現実があります。

ペット保険は10歳前後の年齢上限が多い中で、目立つのが16歳11ヶ月まで新規加入ができる「ペッツベスト少額短期保険」です。同社の創業者は、外資系生命保険の日本法人を立ち上げたメンバーで構成されています。

アメリカのペッツベストインシュアランスの創設者と知り合いだったため、両社間で事業提携しました。ペット先進国のアメリカで蓄積された数十万件の保険請求データの提供を受けて、それを基に保険商品を設計したわけです。

他社にはペッツベストのような詳しい統計データがないため、保険料が7~10歳を迎えると急に上がってしまいます。他社に比べて、ペッツベストはペットの加齢にに伴う保険料の上昇が低いのが特徴です。しかし、前年にかかった病気を翌年に繰り越せないなど、審査が他社と比べて厳しいデメリットもあります。終身加入することができず、保障が適応される年齢は最高で17歳11ヶ月までとなっているので注意が必要です。

また、1回の傷病について自己負担額が設定されています。
一番契約件数の多い「ベーシックプラン(保障割合80%)」では、治療費が20万円の時はここから自己負担額2万円が引かれ、残り18万円が保障されます。

ペットの高齢化や獣医療の発展に合わせて、窓口でかかる治療費は増加傾向にあります。
飼い主がペットのために揃えたいものは何か。
各保険会社の特徴を見極めて、賢い選択が迫られています。




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