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ペットロス・いつか訪れるお別れ

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長年家族同然に連れ添った犬や猫。
その犬や猫が寿命を全うする時、飼い主が直面する悲しみを「ペットロス」と言います。
この言葉は、ペットの位置づけが愛玩動物から家族の一員へと変わり、医療の発展や餌の質の向上によってペットの寿命が延びたことで生まれました。言葉は生まれましたが、ペットロスの理解はまだ十分とは言えない現実があります。

1990年代に入り、海外でペットロスに関する論文が増えてきました。
しかし、心理学の専門家の間では、今もなお明確な定義はありません。
心理学上では、ペットを失うとは愛着対象であるペットを死別や離別で失う「対象喪失」の一つと考えられています。
これにより、一連の苦痛に満ちた悲哀の心理過程でしかないと考えられているのです。

この心理過程は、人間が自身や近親者の死に直面した時をモデルに説明されることが多く、引き合いにだされるのがスイスの精神科医キューブラー・ロスが死に至るまでの人間の心の動きを研究して提唱した「死にゆく過程の心理的段階」です。
それは、「自分が死ぬのは嘘ではないのか」と言う否認
「なぜ自分が死ななければいけないのか」と言う怒り
なにかにすがろうとする取引
気分が落ち込む抑うつ状態

死を運命として受け入れる受容と、段階を踏んで悲しみを克服していくというものです。

ペットロスの場合は、「うちのペットが死ぬなんてありえない」という気持ちと置き換えられそうではあります。しかし、これら心理的段階のように綺麗に進んでいくわけではないとの批判もあります。

ペットロスの場合は、ペットの死という事実を受け入れることの否認と受容の間で揺れ動く心理が存在します。ペットを失うことは、飼い主が自責の念に囚われることが強い傾向にあります。ペットは、飼い主という人間の保護下にあり、小さな子供のように自分の変化を人間に言葉で伝えることができません。飼い主は、「なぜ守ってあげられなかったのか」との思いを抱きやすくなります。

また、これらの悲しみがあっても、ペットを失ったことの悲しみは人間の世界では認められていません。ペットを失って酷く辛く悲しい思いをしていても、「ペットが死んだので会社を休みます」は認められないことが多いのが現実です。人間である家族を失った場合は一定の配慮が認められますが、ペットの場合は全く認められず、通常通りの振る舞いを要求されることもあります。

特に、承認要求が満たされにくい飼い主は、人間関係が希薄などの理由で、ペットを失った悲しみを聞いてくれる他人との関係がないことがあります。ただし、他人との繋がりがあれば承認欲求が満たされるのかと言うと、そうではありません。
例えば、夫がただの愛玩動物として飼育していたとしても、妻は家族同然と考えていたなど、ペットとの関わり方は千差万別。そのため、ペットを失った時に感じるペットロスには、微妙なズレが生じます。ペットロス経験者が、ペットロスに苦しむ人を救えるとは一概には言えないのです。

社会学では、それまで得た経験や知識が異なる他者を完全に理解することなんて不可能であり、他者に自分を完全に理解してもらうこともまたできないことと考えます。だからこそ、周囲の他者にできることは簡単に分かった風を装わない事。そして、“理解しきれないことを前提に"理解し、辛さや悲しみに共感してあげるようにしましょう。高齢者や単身者が増えている昨今、動物病院の動物看護師などのスタッフによる飼い主へのケアが必要です。

ペットロスの悲哀による身体・精神面での反応としては、涙が止まらなかったり、疲労感や虚脱感などを挙げる飼い主が多い傾向にあります。では、これら症状を上回る医師の診察が必要なペットロスはあるのでしょうか。

精神科医として現役医師の帝京科学大学のY准教授によると、「実際にペットが亡くなったころで鬱状態を訴える患者は居るが、抗うつ剤を処方する患者は全体の2~3割程度」だと話します。精神科医のY氏によると、ペットロスは恐れることではないと言います。むしろ、ペットロスという言葉の独り歩きによる問題だとも指摘しています。ペットロスを意識しすぎることで、「霊界からメッセージを受けとる」と謳うスピリチュアルカウンセラーや、ビジネス臭いカウンセラーの元に迷い込む危険性があるからです。

ペットを失う悲しみは、心の自然な反応です。
愛情の絆が強い人ほど、立ち直った後により人格的に成長することができます。

いつかは来る別れ。
過剰な恐れを抱かず、今のペットとの日々を大切に過ごすことが重要と言えそうです。

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