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生体展示販売から保護犬譲渡への道

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神奈川県北西部にある、秋田犬の繁殖場のOさん夫婦。
繁殖者、いわゆるブリーダーといえば何十匹、何百匹を抱えるイメージがりますが、Oさんが現在世話しているのは僅か16匹のみ。これ程までに数が少ないのには理由があります。

犬舎を運営するには、通常広大な土地の費用や餌代、職員の人権費などの莫大なコストがかかります。そのため、繁殖数を増やしてオークションペットショップというサプライチェーンに乗せなければ稼ぐことができません。こうしたことから、大規模犬舎は半年置きに同じ母犬を交配させ、股関節形成不全などの遺伝性疾患を抱えた犬も繁殖に回すといった、犬の健康という観点に問題がある運営スタイルに陥りやすいのです。

一方、Oさんは別の本業を持っています。
ブリーダーはその傍らのライフワークに過ぎません。
兼業だからこそ、不健全な交配をしてまで稼ぐ必要がないのです。

Oさんの犬舎で産まれる子犬は、年間10匹程度。
母犬には3~4歳までしか交配させず、お産は生涯で3~4回程度にとどめます。
母犬と子犬の健康に配慮するうちに、自然とこの数字になったと言います。

生まれた子犬は将来の繁殖に備え、一部を手元に残して他は1匹10万円程度で譲渡します。
ペットショップ価格に比べると、半値程度でしかなく、おそらく犬舎を維持する実費程度しか稼げていないと思われます。

また、譲渡は必ず飼い主との直接相対で行ないます。
ペットショップなどの一般の流通網に乗せることは決して無いとOさんは言います。「うちを実家と思って、しつけや食べ物・病気のことなど何でも相談してほしい」そういう気持ちで、直接子犬を譲っているのです。

こうしたことを譲渡先の飼い主に言えるのは、親犬をよく把握していて、さらに犬種も把握しているからです。甘噛みが治らないと悩む譲渡先の飼い主が、一家全員でOさんのところに合宿にきたこともありました。

繁殖を終えた成犬を里子に出すこともあり、これは無償で行なっています。
日本では、子犬信仰が根強く、成犬は残り物というイメージが持たれてしまいがちです。
しかし、ブリーダーが選ぶのは優れた犬。
しつけもきちんとされていることから、子犬よりも安心して譲り受けることができます。Oさんが譲渡した犬のクセや性格をしっかりと把握しているため、譲渡後のトラブルが少ないと言います。

Oさんは、幼少期を秋田犬と共に過ごしました。
ブリーダーになったのも、その秋田犬という犬種にほれ込んだためです。
一度絶滅した秋田犬の本来の姿を取り戻すのが、Oさんが繁殖を行なう最大の目的なのです。

岡山市のペットショップCは、全国でも珍しい値札のついた子犬や子猫が居ないペットショップです。販売するのはフードや洋服などの用品と、トリミングサービスです。
2015年1月までは、外部テナントによる生体展示販売を行なっていましたは、今そのケースに入っているのは、保健所から引き取った保護犬たちです。このような形態になったきっかけは、地元の動物愛護団体からペットショップで売れ残った犬や猫の処分の実情を聞いたことにあります。そのほかにも、動物愛護法の改正などを受け、社会が生体展示販売に厳しくなったと感じました。

生体展示販売を止めると、テナントからの賃料収入がなくなるため、当時は経営が厳しかったと言います。しかし、取り組みに賛同した全国の愛犬・愛猫家が、インターネット通販で商品を購入してくれるようになり、今では通販売り上げが以前の10倍になりました。主に、添加物を使っていない高級ペットフードが人気です。今年は、同店10周年の節目にあたるため、過去最高の収益を記録する予定だと言います。

Cを運営するSさんは、ペットを売らないペットショップがビジネスとして成り立つことを証明したい」と意気込んでいます。同店に初めて来た時は、保健所から引き取った犬が4匹暮らしていました。保護犬を目当てに月100人も来店するにも関わらず、実際に譲り渡したのは16匹。譲渡にあたっては、15項目の厳しい条件があるためです。

里親は犬を飼ったことのある人で、室内飼いしなければいけない。
譲渡後半年は、写真などで犬の元気な姿を知らせる事。
譲渡の際は、従業員が自宅を訪問し飼育環境を確認すること。

すべては譲渡される犬が、本当に安心して幸せに暮らせるためです。
せっかく助かったのに、また捨てられてしまってては元も子もありません。
この入り口のハードルの高さが、犬を飼う資格のある飼い主だけを洗い出ししてくれます。

あるアンケート調査で、ペットショップから犬や猫を迎えた人は全体の38.7%
特に犬では、半数がペットショップから迎えられています。
そのうち1/3が、次に飼うならペットショップ以外からと考えています。
解答欄には、「ペット販売の現実を知ると嫌悪感を感じる」「ペットをお金で売り買いするのに疑問を感じる」等の声が寄せられました。

「犬や猫はペットショップで買うもの」
そう思い込んでいる人がまだまだ多いですが、そろそろ新しい考えが必用な時代です。

犬や猫は誰でも買えるような気安いものではなく、立派な命です。
飼うには、責任とコストや悩みが尽きません。
愛すべき小さな存在の幸せは、消費者一人一人の選択と行動にかかっているといえます。

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