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動物は人と人を繋ぐコミュニケーションツール

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広島県尾道市は世界的な人気を支える観光スポット「しまなみ海道」の玄関口として有名ですが、近年猫好きにとっての聖地としても認識されています。

猫の細道尾道は坂道と猫の多い街で道端で猫に出会えるだけでなく、画家、園山春二氏の蒐集品を集めた「招き猫美術館」や猫アートが溢れる「猫の細道」などの観光スポットも点在しています。SNSで若い女性を中心に口コミで人気が広がり、2015年9月には尾道を舞台とした世界初の「キャットストリートビュー」が公開され、「尾道道猫好きの祭り」も開催されるなど、行政や事業者を巻き込んだムーブメントが起こっています。

尾道だけでなく瀬戸内海のうさぎ島(広島県大久野島)や温泉に浸るスノーモンキー(長野県山ノ内町)など、動物が地域活性化の起爆剤になった例は珍しくありません。

動物は人と人を繋ぐコミュニケーションツールや、人の心を動かすメディアとしても機能します。

「秋田犬ツーリズム」という取り組み

現在このような動物の可能性に着目した地域活性化の取り組みが各地で行われていおり、観光や雇用創出など目的は様々です。

秋田犬日本犬種のうち、唯一の大型犬種である「秋田犬」。秋田県大館市が発祥の地であり、忠犬ハチ公も大館の生まれ。秋田犬は国内だけでなく海外でも人気で、 2012年には秋田県の知事から、愛犬家で知られるロシアのプーチン大統領に秋田犬「ユメ」が贈られたことが話題になりました。

そんな秋田で、「秋田犬ツーリズム」という取り組みがスタートしました。大館市と周辺の北秋田市、小坂町、上小阿仁村で設立された地域連携DMO 、一般社団法人秋田犬ツーリズムが事業主体です。

秋田県北部は、世界自然遺産白神山地や十和田八幡平国立公園といった自然、玉川温泉や乳頭温泉郷などの温泉、角館の武家屋敷通りや日本最古の木造芝居小屋「康楽館」などの歴史、さらにはきりたんぽ鍋などの食や、大館なげわっぱなどの伝統工芸品など、様々な観光資源が存在します。

訪日外国人観光客が増え続ける中で、海外で知名度のある秋田犬をきっかけに、秋田県北部の魅力を発信、インバウンド活動を行っています。

ブランディング活動の第一弾として犬の日である11月1日、秋田犬アイドルグループ、「MOFMOF☆DOGS」を発表。 YouTubeにミュージックビデオを公開しました。1ヶ月足らずで再生回数100万回を突破。擬人化した3人組の秋田犬アイドルが、北秋田の魅力を音楽に合わせて紹介する内容で、歌の部分をすべて実際の秋田犬の声をつなげて制作しています。動画は中国語と英語でも表示し、海外に強くアピールしました。

好調なスタートを切った秋田犬ツーリズム。海外に向けては、台湾やタイ、韓国を中心とした東南アジアのリピーターをターゲット層にコンテンツを磨きあげていく方針です。地域ならではの創作資源を生かした観光振興策として、今後の取り組みに注目が集まっています。

地熱と馬糞で馬と人が幸せに

岩手県八幡平市では、現役を引退した競走馬を軸にした地域活性化の取り組みが行われています。馬糞から、地熱を利用して堆肥を作り、さらにこの堆肥でマッシュルームを栽培。ブランド化に成功し地域に新しい産業を創出しました。

このプロジェクト主導している八幡平のF氏は元々、北海道で競走馬に関わる仕事をしていました。

「競馬界では毎年約7000の子供が生まれます。馬は20歳30歳まで寿命がありますが、 4歳を過ぎてレースで活躍できなくなると、行き場がなくなり、殺処分になることも多いんです。」引退後も、競走馬の持続可能な飼育モデルを作れないか、模索していました。

転機は東日本大震災。知り合いだった岩手県のクラリー牧場に、地震の影響が心配で連絡すると、「馬はたくさんいるが人手が足りない、手伝ってほしい」と言われ八幡平等に移住することになりました。

クラリー牧場は引退した競走馬を多く受け入れています。しかし牧場を維持するためには収益事業が必要です。ある日、馬糞堆肥を農業で使う事を知り、堆肥の可能性を考え始めました。

地熱と馬糞八幡平は冬場は気温がマイナス10度まで下がるため、馬糞堆肥の生産は本来安定しないのですが、温泉を利用することを思いつき1年を通じて安定生産に道筋が開かれました。近隣の温泉から45度の温泉を取り出し馬糞堆肥の生産を開始しました。野菜やハーブの栽培を始めてみると馬糞堆肥100%で栽培できることがわかりました。しかも馬糞は匂いがきつくなく重さも軽いのです。

東京都心のビルの屋上で養蜂を行う「銀座ミツバチプロジェクト」から声がかかり、屋上緑化の土壌に馬糞堆肥を利用することができました。
続いてマッシュルーム栽培にも参入。マッシュルームは市場価値が高い割に国内産が少ないのですが、地熱活用施設であれば年中安定生産ができます。マッシュルームは土で栽培するキノコで、土壌が良質であることが重要ですが、馬糞堆肥は最適でした。そもそもマッシュルームは、馬糞堆肥の発酵熱を利用して苗作りをした中から発見され、栽培方法が確立されたいう、馬とのつながりが強い歴史的背景もありました。「八幡平マッシュルーム」として商品化すると大好評を博しました。栽培後の土は有機野菜や麦の栽培に再利用します。地域内循環を可能にするビジネスモデルになりました。

これらのプロジェクトは、 「復興庁・新しい東北復興ビジネスコンテスト」で優秀賞そ受賞しました。現在スタッフの中には都会から移住して来た若者もいます。
地熱と馬糞で馬と人が幸せに共生できる持続可能な仕組みを作りたい。その仕組みを確立して、日本中に広げたいと思っています。

さらに「馬を放牧することは、里山の景観の維持にもプラスになります。日本各地で人口が減り、里山は荒れ放題になっていますが、馬の放牧できれいな草原がよみがえるはずです」と力を込めます。

ヤギ大活躍プロジェクト

長野県北部の飯綱町は「ヤギ大活躍プロジェクト」という変わった取り組みを始めました。
ヤギは世界各地に生息する家畜で、日本人は15世紀ごろに持ち込まれたとされます。現在では乳や肉の生産加工の他、ヤギは粗食で固い植物も食べられるため、耕作放棄地や空地の除草に活用されたり、人間に懐きやすい性格を生かしてセラピー動物としても役立てられています。

りんごの生産地として知られる飯綱町では、 1960年代まで農家で広くヤギが飼われていました。ヤギがいる風景を再生し地域創生につなげるために「ヤギ大活躍プロジェクト」をスタートしました。

町の戦略では「ヤギを飼育し、ヤギこだわった施策を支える。飯綱街でないと買えない、農家民宿でないと食べられないなど、ヤギの可能性について研究し、その成果を実践、起業や雇用の創出の流れを作る」と表明しています。

ヤギ大活躍プロジェクトプロジェクトの第一弾として、しなの鉄道の協力のもと北しなの線牟礼駅にヤギ駅長ロールを就任させました。主に休日に出勤して、訪れる人とのふれあい体験を通じ、ヤギと町の魅力をアピールすることが狙いです。

このほかに、多彩な人にヤギの里親になってもらう「ヤギオーナー制度」や、耕作放棄地の草をヤギに食べさせることによる優良農地への転換や、ヤギ乳を加工した高級チーズやオリジナル菓子の開発などを予定しています。

「ヤギを飼育したい」という地域住民も多く、飼育方法の具体化に向けた検討を行っています。

2017年は「ヤギ大活躍推進宣言」を採択する方針だと言います。




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